理事長 牧角寛郎
【病院の背景】
社会医療法人聖医会サザン・リージョン病院の前身は昭和26年に開設された医療法人明星会に始まります。 昭和35年に外科部門を設立、その後も時代に合わせ発展を続け、地域医療に責任を果たしてきました。
平成4年には、地域の保健・医療・福祉に対して迅速に対応できる組織を目指し、医療法人明星会より外科部門を分離し、医療法人明星会サザン・リージョン病院とし、 さらに平成6年には法人も分離独立し、医療法人聖医会サザン・リージョン病院となっています。その後、平成19年2月には、公共性・公益性のある特別医療法人聖医会へ組織を変更しました。さらに、平成21年4月1日には、より高い公共性・公益性・継続性のある社会医療法人聖医会サザン・リージョン病院に組織を改革・変更し、現在に至っています。
【病院の現状】
当院は、医療法人聖医会設立時より「基本理念」「基本方針」さらに病院の「運営方針」を定め、 その時代の流れ、地域住民の要望に合わせ変化しながら地域の医療・介護・福祉に貢献してきました。国は2004年の「骨太の方針」以降、各地域での医療機関の役割を明確にして 機能分担を進める医療制度改革の方針を誘導してきましたが、 当院もその方向に沿い、131床の限られた病床を時代の流れに沿うようにその内容と体制を見直し、 現在では癌治療を中心とした急性期医療と救急医療に対応する急性期病棟、 脳卒中リハビリ患者に対応する回復期病棟・療養病棟、さらに癌の末期に対応する緩和ケア病棟に院内の機能を分化し対応してきました。 しかしながら、今後の我が国は少子高齢・人口減社会という誰もが経験したことのない世界へ突入しようとしています。そのような少子高齢・人口減社会では、医療の目的も「病気を治すこと」だけでなく「生活・人生を支えていくこと」が必要になると思います。
今後はさらに入院から在宅医療まで切れ目のない形での地域の医療機能の適切な分化と連携を進め、 患者様の生活の質の向上に向けて治療期間が短くなる体制を作る必要が求められ、 さらにその体制の中で各医療機関がどういう対応を取りうるかが重要になってくると思われます。
当院も時代の流れに遅れないように体制を変化・発展させていこうと思っています
【今後の展望】
私共の病院は、前述したように従来より癌医療・救急医療を中心として地域に貢献できる施設を目指し、 地域の住民が中央から離れているという理由で十分な医療を受けられない事がないように 地域の事は地域で完結できる地域医療提供体制を構築する事を目標に現在まで拡大・発展してきました。
今後もその方針は変わらず、南薩地区での癌医療・救急医療の拠点病院になるべく努力していきたいと思っておりますが、さらに、少子高齢・人口減社会でも必要とされる病院であり続け、当院の基本理念である「地域のために、地域と共に歩き続けます」を達成できるように、今後も努力していく所存で御座います。
今後も変わらぬ、ご支援を頂けますようにお願い申し上げます。
2020年6月吉日
院長 奥村 浩
令和元年6月から当院の院長を拝命いたしました。牧角理事長と同じ鹿児島大学消化器外科教室の出身で、外科学を基盤にした総合診療を担当しております。当院は、枕崎における24時間体制の救急医療およびがん医療に力を入れています。幅広い疾患に対する内視鏡下手術、術前・切除不能・再発病変に対する放射線治療または化学療法、すべての悪性疾患に対する緩和治療を行っており、病気の早期から最終段階まで安心して治療していただくことが可能です。また、超高齢社会となった現在、当院で治療を行った患者さんを適切な場所にお返しするための連携支援にも力を入れてまいります。「地域のために、地域と共に歩き続けます」の理念に沿って、精一杯努力しますので宜しくお願い申し上げます。
【略歴】
1992年 鹿児島大学医学部卒業、第一外科学教室入局
2002年 医学博士 鹿児島大学
2006年 アメリカ合衆国 オハイオ州立大学医学部癌センター 文科省派遣研究員
2014年 鹿児島大学消化器外科学 診療准教授
2019年 医療法人聖医会 サザン・リージョン病院 院長
【資格・学会活動】
日本外科学会専門医、指導医
日本消化器外科学会専門医、指導医、評議員
日本消化器内視鏡学会専門医、指導医
緩和ケア研修会修了医
患者の意向を尊重した意思決定のための研修会修了医
日本食道学会評議員
日本臨床外科学会評議員
日本消化器癌発生学会評議員
九州外科学会評議員
鹿児島臨床外科学会評議員